公務員でもマーケット感覚は求められている

「おちゃらけ社会派ブロガー」である「ちきりん」さんの新刊を読みました。

普段のTwitterやブログを読んでいれば伝わってくることを、改めて文字に起こしたというような感覚でした。

マーケット感覚とは何ぞや、マーケット感覚を鍛えるためには?という内容については著書を読んでいただくとして、自分の環境においてどんなマーケット感覚が必要になるのか、という事について思いをめぐらしてみてはいかがでしょうか。

●●●

一般的に公務員とは「市場から1番遠い」と言われます。ある側面では、それは正しいことです。税金という制度で国であれば国民から、県であれば県民から、市であれば市民からお金を集め、公共投資や人件費に充てています。

誰か(最終的な決定者は国民であり県民や市民です。)が決めた制度通りにお金を集めるという点では、マーケット感覚はないのかもしれません。


その実、公務員には意外とマーケット感覚が必要な場合があります。
簡単なもので言えば以下のようなものがあります。マーケット感覚を鍛える5つの方法に当てはめるとこんな感じでしょうか。

1.プライシング能力
公共施設の利用料
市が行う講座等の参加費

2.インセンティブシステム
行事やお祭りの協賛金集め
人口増や流出減のために行うべきこと
気持よく税金を払ってくれるような窓口対応

3.市場に評価される方法を学ぶ
ふるさと納税の中身


4.失敗と成功の関係 については、役所組織、それも中枢より末端にいくほど「失敗をするな」「失敗したらレールから落ちるぞ」と言われるので、学べる機会は乏しいのかもしれません。

●●●

1.プライシング能力 について、役所全体で本当に下手だと思いますし、それゆえにこれからの伸びしろはかなり大きいものではないかと思っています。

自分のところでは、自治体が直接講座を行う場合、基本的に参加料は無料です。外郭団体が行う場合は少し料金を取っているようですが、それでも数百円程度です。

それにも関わらず、役所内で動員がかけられるような講座もあります。

「こういう講座を行いました。こういう教室を開きました。集まった人数は○○人です。」

こういった振り返りで終わって、次にどう繋げようという話がないんですね。そもそも動員ありきで企画が立ち上がる場合もあるため、先に繋げようがないものもあります。

公共施設の利用料に関しても、基本的には前例踏襲、何か話があると一言目が「近隣市の様子を調べておいて。」です。いやもちろん、タテヨコ比較は大事ですから近隣市の様子は調べなければなりませんよ。

思考の棚ではありませんが、近隣市を調べたところで、どういう結果を受けどんなアクションを起こすという事もなしにただ調べるだけ。他にも業務はてんこ盛りですから、こんなふわっとした指示は後回しにしがちです。


組織を変えるより自分が変わるほうが楽と言いますが、もーちょっと危機感を持った方がいいんじゃないの?ということですね。

でも、市場からもっとも遠いと言われている公務員でも意外と学ぶ点はあるんだな~と思いました。