奨学金減免制度の目指す方向はなに?

まず最初に、今回の記事は私自身の感覚で書いてあり、なんのデータの裏付けもないことを明記しておく。

http://sp.mainichi.jp/select/news/20141227k0000m010010000c.html

上記は、大学進学や就職を機に地方を離れ首都圏に出てくる若者が増えたために、地方就職者に奨学金の減免を行う制度を検討しているという記事です。

大学進学者、とりわけ、首都圏で働く頭脳労働者を想定しているものと思われます。

私自身、地方とはいかないまでも、首都圏まで1時間以上かかる田舎に暮らしています。

ひしひしと感じていますが、上記の記事のような制度を設けても、地元に残る層と首都圏に出ていく層は変わりません。そして、外から地方にやってくる者の数も変わらないでしょう。

それはなぜか。3つの理由があります。


1.個人のレベルでは、地方で働くよりも首都圏で働いた方がチャンスに恵まれている

まず、首都圏に一極集中している現状です。人の数、企業の数、GDP、娯楽、利便性、これらは総じて地方より首都圏の方が優れています。
変化に対応するためには、多様な人が集まり、柔軟に動いていかなければなりません。
首都圏は人種のるつぼとまではいかなくても、多くの人が集まり、相互作用を及ぼしあっています。
一部の能力のある人以外は、地方移住なんかより首都圏移住の方がチャンスを多く得られるでしょう。


2.地方でやっていける人は、そもそも奨学金の返済を理由に地方に残らない

現代において、稼げるための条件はなんでしょうか。情報やお金が集まる首都圏で仕事をするか、場所を厭わず働ける仕事をしているか、この2点に尽きると思います。
たしかに地方で健全に頑張っている企業もありますが、首都圏以外で大成している企業なんて絶対数が少ないじゃないですか。

能力のある人が、奨学金なんて目の前のお金のために、行動範囲を限定される地方就職なんてするわけないです。

この制度を使うのは、総じて地方活性化にはなんら寄与しない人だけでしょう。


3.なにより地方はつまらない
実際に暮らしていると分かりますが、地方はつまらない。果てしなくつまらない。

同年代の人間はいない。いるのは、いわゆるマイルドヤンキー層ばかり。イオン以外に行くあてがないから、イオンを楽しめないと行く場所がない。ネットで娯楽を得ると、首都圏(主に東京)で楽しんでいる人がたくさんいて羨ましい。
イベント事に顔を出しても、子連れの家族と老人ばかり。そんな状況です。


地方創生を願うなら、東京とは違う方向性で、東京に勝るコンテンツを作っていかなければならないのです。そのためには、税源を地方に移譲するなど、お金の流れを根本的に変えなければなりません。いつまでたっても国主導では、地方は衰退以外の道はないでしょう。

現代を勝ち抜いていける地方は、今の地方の形とはまったく異なったものになるでしょう。
それを受け入れるだけの土壌が、今の地方にあるか。私は地方の中で暮らしながら、いつも疑問に思います。