人生は後付けでしか語れない
「○○をすれば成功する」
「成功した人たちが行っているたった○個の法則」
このような本が売れたり、話題になったりすることがたびたびありますが、本のとおりに生活しても、決してその人の人生は変わりません。
人の数だけ人生があり、人の数だけ置かれている環境が違うのに、どうしてそれが自分に当てはまると考えるのでしょうか。
この手の本を読むことは確かに意味があります。自分の考え方、思考の方向性の整理ができますから。思考の棚卸しをして、自分の大事にしているもの、譲れないもの、軸となる部分を見つけるための参考にすればいいでしょう。
- 作者: 岩瀬大輔
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/11/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
そういった意味で言えば、この本は「自分の半生を徹底的に結果論で分析した本」です。岩瀬さんのすごいところは、そうやって分析して、それを自分の思考軸として、形にできているところではないかな、と思います。
●●●
肩書や経歴を見れば、どこか遠い存在に思える人でも、こうやって自分と向き合って、過去を顧みて、整理してみないと自分のあり方なんてわからないんです。自己啓発本を読んで、そこに何か自分を変えてくれるウルトラCがあると思っている人は、考え方を改めたほうがいいかもしれません。自分を変えられるのはいつだって自分。愚直に素直に目の前のことをやるだけしか、進むべき道はないんですね。もちろん、数年スパンで目標を立てることと、目の前のことを愚直に行うことは矛盾しないので、同時に行うに越したことはありません。
また、もうすぐ40を迎えるからこそ、ここまで書けたのではないかと思います。20代の自分が、ここまで深く自分のことを観察できるとは思えません。就活を行っている人たちも自己分析などをするようですが、一部の人を除き、圧倒的に経験が足りないので、そんなに意味はないんじゃないでしょう。
今は愚直に素直に目の前のことをやる時分。一段とばしのウルトラCを欲しがる気持ちも十分に分かるのですが、そんなものはありません。がんばれ!