次世代を担う若者へ

次世代を担う若者へ

この記事は移転前のブログで2012年3月6日に書いたものです。

今日(3月6日火曜日)、ガクセイ基地主催「EVENT CAMP」というものに行ってきました。
たまたま数日前、ライフネット生命社長の出口治明氏をツイッターでフォローし、RTで講演があることを知り、3日前に参加を決めたのです。

『次世代を担う若者へ~事業構造にイノベーションを起こさなければ、未来はない~』

ライフネット生命のHP上で見られる動画などを見ていたが、生で出口氏を見るのは初めて。ちょっとドキドキワクワクしながら待っていました。

話の内容は、森を見なければならないという所から始まり、概略は以下のとおり。

日本のリーダー不在は何故か
日本の経済構造の話
自分のアタマで考えよう
失われた15年をタテヨコ比較で
個人・企業・都市の競争力や東大の秋入学についての話

大枠は出口氏の著書に書かれていることがそのままだった。なので読んでない人にはそちらを勧めます。

「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由

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ライフネット生命社長の常識破りの思考法 ビジネスマンは「旅」と「読書」で学びなさい!

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直球勝負の会社―日本初!  ベンチャー生保の起業物語

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総じて主張していたのは

「日本は現在の社会のそぐわない制度が強く根付いている」
「仕組みの部分を変えることが状況打開に必要」
「それを実現するには自分のアタマで考えることが必要不可欠」

この3点に尽きると感じました。


高度経済成長期の日本経済は20代の若者がやるもの、今の日本は40代なんだから構造を変えなければいけない、というお題を、出口氏が若い女の子とご飯を食べに行くには?というケーススタディ(笑)で説明していて面白かったです。
また、話の途中で「この中でちきりんブログを知っている人は?」という問いかけに、それなりの数の人間が手を挙げたらしいです。自分は前の方の席に座っていて、5.6人しか確認できなかったのだが、後ろで挙げていたのでしょう。ちょっと意外でした。学生でちきりん氏のブログを見ている人は自分の周りにはおらず、文章に非常にクセがあるので、見ている人はそんなにいないと思っていたのですが、これも「自分の見えている世界」しか知らないからそう思っていただけにすぎない、ということですね。これを確認できたのも収穫です。

また、せっかくの機会なので最後に質問をしてみました。

「実際問題、アウトプットが滲みでてくるまでインプットを続ける余裕がないのでは?」『なんで余裕が無いの?』「経済的な問題とか…」『え?4年も大学に通ってるのに。』「1.2年で一般教養を学んで、3年で専門的なことを学び始めたときに就活…『就活辞めれば良いじゃん』……そのリスクをとる勇気はありません」

とまあやり取りで完全に負けましたw
そのあとのインプットは自分への投資だということと、アウトプットの環境を自分で作らないといけないということを教えてくださった。

そこで質問で一番聞きたかったところが腑に落ちました。ちきりん氏と出口氏はインプット重視アウトプット重視という正反対のことを唱えていたが【アウトプットの仕組みを作ることが一番大事】と言う所でまったく一緒だったのです。どうして正反対の事を言っているのに結果は同じなのだろうかとずっと疑問だったのだが、根底の軸がまったく一緒だったから同じ結果にいったんだということで納得しました。

自分の考えを、数字・ファクト・ロジックを使って人に話せるようになること
そのためにまずはアウトプットの仕組みを作ること

インプットの絶対量を増やすことは絶対として、今の自分に必要な物はここかな。


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奇しくも、講演の前日に某大手生保のリクルーター面談を受けていたため、構造問題は非常に浮き彫りとされ、その違いを肌で感じられました。
模擬面接で

『やりたいことは?』
「高い高いと言われている保険料を下げ…云々」
『それってウチじゃなきゃだめなの?』
「日本を代表する生命保険会社だからこそ…云々」
『価格競争がやりたいなら外資に行って好きなようにやってください』

というやり取りをしたのです。確かにシューカツをする上で上記の回答は誤回答です。落とされる面接をしていることは誰が見ても間違いないはず。だからそれを正そうとリクルーターの方はアドバイスをしてくれました。

「抽象的でいいから、大きな、反論されないような意見を言えよ。」
「あなた自身の経験は誰にも否定できないんだから、それを使って。小手先の具体例は出すなよ。」

などと。シューカツの面接という場面ではこれは正解だと思います。…だけど、おかしくないですか?学生に『ウチじゃなきゃダメな理由は?』って聞くくせに、企業自身が社会の変化に対応するときには『なんでウチがやらなきゃダメなんだ?』という姿勢なんですよ。ここってすごく矛盾している。

日本を代表する生保と言われながら、当事者意識がまったくないと感じた瞬間。人を削れないのも[社員の加入保険料で会社が回っている部分がある]かららしい。大きな自己矛盾をはらんだまま――ひいてはそれに気付きながら――現状のまま構造を変えないで進んでいく先に未来はあるのだろうか?


もうちょっといろいろな視点で考えないとな、と思わされた講演でした。出口社長、ありがとうございました。