直球勝負の会社

直球勝負の会社

この記事は移転前のブログで2012年4月17日に書いたものです。

ライフネット生命社長の出口治明氏の著書「直球勝負の会社 日本初!ベンチャー生保の起業物語」を読み終わりました。

以前の記事に書いた通り、見事なまでに舞台裏メイキング映像コンテンツ戦略にはまってしまったわけですが、今回はライフネット生命の起業物語を出口氏の視点から描いた一冊です。

是非読んでみてほしいので、内容には触れません。


岩瀬氏の著書では、起業する中で起こったことを具体的に述べていて、どのようにして人が集まってきたか、どうやって132億円集めたか、などが事細かに記されているのですが、こちらの本は主にライフネット生命の理念・ビジョン、つまり「生命保険とは本来の姿はこうだ。だから一番生保が必要な人に、ニーズに応じた適度な保障を提供する。」といった事が書かれています。2冊読んで初めて、ライフネット生命のリーダー像というのが分かりました。

ところで、リーダーシップには「チームでビジョンを共有して方向性を同じにする」ということが求められると思います。「経営の教科書」の著者である新将命氏に言わせれば、「方向性とは理念+目標+戦略である」ということです。
「直球勝負の会社」には、企業の方向性の要素のうち理念と目標が、「ネットで生保を売ろう」には目標と戦略が描かれていると感じました。もちろん出口氏と岩瀬氏が2人3脚でやってきたから2人とも3要素を共有しているだろうと思います。しかし著書になって2人の特性が表れたのではないのか、と思うわけです。

出口氏は大学卒業後日本生命に就職して、ずっと生命保険業界で第一線で活躍してきました。だからこそ、今の生保業界のおかしな点を憂い、業界全体を成長させるための、本来の生命保険のあるべき姿を理念として語れるのではないでしょうか。

一方で岩瀬氏は生保には全く関係のない企業を渡り歩き、HBS留学から帰ってきてすぐにライフネット生命の起業に入りました。全く関係のない畑からやってきたからこそ、ただ純粋に理念を達成するための目標と戦略に向き合えたのではないでしょうか。


お二人の著書を読んで一番思ったのは、出口氏がビジョンを語り、岩瀬氏がそれを形にしている部分が多いのでは、ということです。もちろんライフネット生命の中身を見たことがあるわけではないので、合っているとは限りません。間違っている可能性も高いです。
しかし「ローラ」の発見のくだりや、ネットを介して人が集まってきた話を読むと、どうしてもそのような思いが湧いてきてしまいます。


是非他の立ち上げ社員の思いも見てみたいです。本までとは言わないけれど、ブログで時系列でまとめてとか。今度発売される中田華寿子氏の「10万人に愛されるブランドを作る!知名度なし予算なし大手競合ありから」も買って読みたいですね。単行本サイズの本は書店のブックカバーが欲しい、という謎のプライドがあるので、是非書店で見つけたいところ。



余談ですが、こうやって記事を書くようになったのも、アウトプットの仕組みを自分で作らなければと思ったからです。自分のアタマで考えるためにはアウトプットを想定したインプットをしなければなりませんね。

直球勝負の会社―日本初!  ベンチャー生保の起業物語

直球勝負の会社―日本初! ベンチャー生保の起業物語