ライフネット生命岩瀬副社長講演

ライフネット生命岩瀬副社長講演

この記事は移転前のブログで2012年6月22日に書いたものです。

3日前くらいに、ふと見つけた中央大学FLP国際協力のFacebookページ。そこでライフネット生命の岩瀬副社長の講演があるということを知り、急遽参加してきました。

ギリギリに知ったので、どんな内容の講演なのか、どんな人が見に来るのか、まったく分からないままの参加でした。本は著者名で選ぶように、講演も内容いかんに関わらず人で選ぶようになっています。

講演の中身は、著書に書いてあることを分かりやすく簡潔に噛み砕いた感じの内容です。せっかく本があるので、詳しくはそちらへ。気になったことをまとめてみます。


前半はMBAで学んだことについて

まず【principles】について。これはハーバードMBA留学記に詳しく書かれています。信念を持つこと。譲れない軸がないと、判断を下す際にブレが生じてしまう。だから必要なのだ、と。

これは組織の、自分の、行動基準にもなるもの、ライフネット生命で言えばマニフェストを持つことで、ブレない行動ができるようになる。

【knowing just enough】
足ることを知る。つまりは自分が何に価値を置いて、どんな状況のとき満足できるのか。これを見つけることが大事。でないと目標を立て、達成したら次の目標と、終わりのない道で一生満足することがないから。
たとえ大学生でも、20年も生きてきているわけで、それなりの経験はしているし、価値観は形成されていると思うんですよね。だから【knowing just enough】については、見つけられるか否か。もちろん社会人でも見つけられていない人がいるから、簡単に見つけられるものだとは思いません。シューカツではよく「軸」という言葉を聞きますが、果たしてどれだけの学生が「就活のための軸」ではなく「自分自身の判断基準」に気付けているのでしょうか。かくいう自分も判断基準、軸についてはちゃんとは見つけられていません。

小さい頃から「必要とされていたい」「自分も楽しく、人に必要とされることをしたい」という気持ちは持っています。たぶんそれが一番の価値基準だと思います。でも、【必要とされる=仕事をたくさん渡してくる】とは違うんですよね。チームとして何かをアウトプットしようというときに、「全力を尽くしても自分だけではどうしようもない、だから力を貸してくれ」という風に頼ってくれるのが嬉しいし、モチベーションが上がる。そういう人たちのためなら、努力できる、……今までもそういう人たちがいないと努力できなかったなぁ。
『誰とやるか』は自分の中の価値基準として重要なもの。その『誰』は『責任感はあるけど、人にしっかりと頼れる人』……まだしっくりこないけどこんな感じかな。


【Tell me, what is it you plan to do with your wild and precious life?】

言葉を加える必要もないくらい、クリティカルな言葉です。


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後半はライフネット生命立ち上げについて。スライドの中に写真がいくつかあって笑いました。岩瀬さんが身を乗り出して横に座っている出口さんのPCを操作している写真。出口さんは「私パソコン使えません( ゚д゚)ポカーン」という風にカメラ目線で笑顔を見せていました。
後半の話を聞いて、出口さんより岩瀬さんの方がより自分たちの年代が近いということが伝わってきました。なんでしょう、ボケのタイミングと言いますか。
出口さんのボケはちょっとシュールというかなんというか。岩瀬さんのボケは勢いがあるんですよね。「マグロを食べたいあなた!保険を見なおしてマグロを食べよう!ってキャッチフレーズで、でもまったくクリックしてくれなかったんですけどね」とか「(SBIアクサの値下げに対して)悩みました。悩んだ末に我々がとった策は!……平河天満宮へお参り」とか若者の学生のリズムに合っていたと思うんです。出口さんの講演は失笑が、ねぇ、多いような…。だからこそ良いコンビです。はい

世界で活躍するためには

1.英語力
2.コーポレート・ファイナンス(学生はまだ知らなくて大丈夫)
3.世界の「常識」

が必要になってくると。英語は別に流暢に話せなくてもいい。どうせ英語圏の人以外が使っている英語なんて下手くそなんだから。【poor English】
それよりは「自分の意見を持つこと」が大事。国際的な場では何気ない会話で社会情勢についての話とかが出てくる。世界の出来事や日本のことについてきちんと自分の意見を言えることが大事。

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質問コーナーでは「キャリアは努力より運命で決まることが多い。悩み迷いながら歩むことがキャリアだという風に『入社十年目の羅針盤』に書かれていましたが、頭では楽観視・前向きになろうとしても、口では前向きな言葉を発していても、どうしても落ち込むことがあると思うんです。そういうときどうしますか?」という質問をしてみました。「お買い上げありがとうございます。サインでもどう?」と聞かれましたが後述の理由からお断りしました。…ちょっともったいなかったなか?笑

まずは人生には波があること。今つらいということはこれから伸びていくしかないということ。その伸びていくことに期待して、ワクワク感を持つことで、今の原動力になる。
創業当初に伸び悩んでいた頃、投資家の方に言われたという「悩むのは当たり前のこと。結果はあとからついてくる。○○○に投資した当初はもっと酷かった。」という言葉。だから同じ道を辿ってきた先輩に話を聞いたりして、前向きに、前向きになれるようにする、と。
この話は本でも読んだ気がしたので、メモを取らなかったのですが、あとで本を探しても、見つからない。どこに書いてあったのか分からない。だから○○○という具体的な社名も忘れてしまった。たとえ半分以上覚えていることでも、大事なことはきちんとメモをとる。ひとつ学びました。

失意泰然
得意淡然

うまくいっていない時ほど堂々と、うまくいっている時ほど淡々と。

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サインを貰わなかった理由ですが、ジンクスです。ジンクスというにはちょっとニュアンスが違うかもしれませんが。
というのも、自分の中でサインを貰うということは「その人に一生ついていく」という意味が込められておりまして、例えば、音楽をやっている人にはサインをよく貰います。だって音楽は自分がやろうと思わなければたずさわることがないから。音楽を作らざるを得ない状況、なんてそうそうありません。それがどういう風に岩瀬さんにサインを貰わないことに繋がるかというと、いずれビジネスの世界に足を踏み入れる自分が、ここで岩瀬さんにサインを貰ってしまうと、自分の中で「この人には敵わない」というのを無意識のうちに感じてしまうと思ったからです。

もちろん、サインを貰うことで奮起して、その人に追いつこうというモチベーションになる人がいるのも分かります。でも自分は違います。何年後何十年後に、ビジネスという広い範囲で考えれば同じフィールド、同じ業種、同じ会社、異業種だけど利害関係にあるかもしれない、どんな状況かは分からずとも、競らなきゃいけない人にサインを貰うという行為ができない。だからサインを貰うことができませんでした。たぶん他の経営者・起業家の講演に行っても同じだと思います。ビジネスで言えば、ちきりんさんくらいかな。何十年たっても逆立ちしても、ウワテを取られるなと思った人は。

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講演会はこんな感じで1時間半弱で終了。前後のバタバタ具合から、とてもタイトなスケジュールで動いているのだな、と思いました。ここでも出口さんとは逆でした(笑)タイミングもあるのでしょうが、以前出口さんの講演に参加したときは、会場の関係から主催者が話を切りたいのに出口さんが「もっと質問いいんじゃない?」と切らせてくれなかったという場面もありましたし(笑)

エレベーターの前で5秒ほどお話しました。…それ、話ってほどじゃないじゃん!というツッコミはお受けしません。

本当に短い間だったのですが、間近で話してみると人の印象ってすごく変わるものです。上記の理由でサインをいただくことはできません、ということを伝えようとしたのですが、「サインのことですが…」話しかけるやいなや「あっちのテーブルで書こうか」と行ってしまいそうになって、サインはいらないんです!と否定するのに焦りました(笑)こっちが話を終える前に動いて、でもその態度にどうしてもそっけなさというか、若干そういうものを感じてしまった。もちろん著書で岩瀬さんの考え方のさわりは知っているつもりなので、そんなことは無い人だと思うのですが、考えられる理由は3つくらいかな。

1.次の予定が詰まっていて本当に急いでいた
2.初対面の人と話すとテンパる人でした
3.自分に対して興味を持っていなかった

ありえる…。でも真意は分からない。第一印象は大事だ。自分の姿が向こうにどう伝わったのだろう…?気になる。いらんことを口走った気もする。(-∧-;)ムゥ

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そんなこんなで有意義な時間を過ごすことが出来ました。ライフネット生命は、社員も経営者もユーモア溢れる人ばかりだなぁ、と思ってしまいました。
ありがとうございました!

入社10年目の羅針盤

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