理想or現実的

理想or現実的

この記事は移転前のブログで2012年8月1日に書いたものです。

「起業家精神とは、現時点で利用可能なリソースに関わらずチャンスを追求することである」

という有名な一節があります。


先日、某就職ジャーナリストの著書を立ち読みしたのですが、まったくもって面白くなかった。その理由を考えたとき、上の言葉が思い出されました。


本の内容は「『現在の大学生の就職活動は茶番だ』と言う人がいるけど、新卒採用がなくなったら大変なことになるぞ」という内容でした。

例えば、「スキルも実績もない学生が採用されるのは今の制度のおかげだ」とか「新卒一括採用のおかげで若年失業率は低く収まっている」だとか。だから新卒一括採用を安易に否定するな、と。


確かに今の新卒一括採用は良い面もあります。しかし雇用形態は変わりつつあります。何をもってグローバル人材と呼ぶのかは置いといて、グローバル人材を目指すなら、雇用もグローバル基準に近づけていくのが自然ではないでしょうか?

そう考えたとき、このジャーナリストの意見は「採用形態以外は不変的である」という前提のもとに描かれているのではないのかという結論に至りました。それはつまり、現時点で利用可能なリソースしか見ていないということに繋がります。


そんな人が第一人者として就活問題を取り上げているのに、当事者としてすごく残念な気持ちになりました。ジャーナリストとして記事にして、仕事にしているから、解決されてしまっては困るのかもしれません。真意は分かりませんが、結局本気で何かを変えようとするのは、いつでも当事者でしかありません。



来年から、非効率がまだまだ存在する業界で働くことになるので、この起業家精神は忘れないようにしたいです。