未来の働き方を考えよう[地方都市の未来は?]

未来の働き方を考えよう[地方都市の未来は?]

ちきりん氏の4冊目の著書「未来の働き方を考えよう」をようやく読み終わりました。

非常に読みやすく、また、今後の働き方だけでなく生き方をしっかり考えなければと思わされるような本でした。

本の中でも書いてありますが「これからはひとつの会社に定年まで勤めるモデルの働き方はどんどん減る」と思います。個人的には、半世紀も同じところに通い続け同じような仕事をやっていき、いつか飽きがきて学びもなくなり、下の世代に抜かされないよう足を引っ張る存在になる、そんな未来が容易に想像できてしまいます。そしてそんな中年にはなりたくありません。

本書を読んで何を思うかは人それぞれだと思います。自分の今置かれている環境、なりたい自分、やりたいこと、やりたくないこと、悩み、色んな要素が絡みあって、何かしらの気づきになるかと思います。


自分の置かれた環境だと「市場に近いところに身を置くべき」という点が一番考えさせられるものでした。
現在の職場は、はっきり言って市場から最も遠いところに位置するといっても過言ではない場所で、だからこそ市場に接するべきというのは頭では分かっていながらも難しい所。しかし役所とはいえ、全部の事業に市場原理に触れてはいけないわけではないと思うんです。

例えば、今の日本の地方都市にしたって、自主財源比率が50%を超えているところなんて極少数です。住民がいるかぎり地方自治体をなくしてはいけないのは分かりますが、借金をして、国からの金に頼って、ほとんど自活できていないような状態で生き長らえている現状は決して健全ではないのではないでしょうか。そんな健全ではない状態が続いている理由は「健全な状態にしなくても持続できるから」に尽きます。持続可能だから現状維持現状維持の連呼で何も変わらない。

本当に日本を再生させようと思うなら、世界の都市間競争にもっと積極的に参入しなくてはならない。たぶん今世界とまともに戦えるのは東京くらいではないでしょうか。


…と、常々思うのです。今現在の県・市町村という単位も、見直せるのじゃないだろうか。中に入って少し見えてきたけど、連携というものはほとんどないようにも感じます。あくまで自分の所しか見えていない。外から利益を引っ張ってくる事を考えていない。そんな空気が感じ取れてしまっています。前にも書いた「自分たちの職場は稼ぐことが目的じゃない」という感覚ですね。

公共サービスという市場原理の介入が難しいものと、都市間競争という完全に市場にの中に位置するもの。このふたつの融合を考えるのが今後の地方都市の役割じゃないでしょうか。一見矛盾するかもしれませんが、だからこそ取り組む価値がある。そう思えてならないのです。

こういうことは2年や3年でどうにかなることではないので、今ある目の前の仕事に全力で取り組みつつ、おかしいと思うところは「今までそうやってきたから」で済ませないようにしていきましょう。

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

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