働き方は時代に合わせて変わっていく

私が今、ぜひとも採用したい人:伊賀泰代×大竹智也【第1回】 | 語った | ジレンマ+
未来の働き方は、“学校”では学べない?: 伊賀泰代×大竹智也【第2回】 | 語った | ジレンマ+
高卒でも一流企業に入れますか?:伊賀泰代×大竹智也【最終回】 | 語った | ジレンマ+

大竹智也さんと伊賀泰代さんの対談記事です。

著書『採用基準』が10万部を超え、ジレンマ世代を中心に注目を集めている、キャリア形成コンサルタントの伊賀泰代さん。「就職活動の厳しさなどをことさらに取り上げ、“今の若い人は大変”と、時代にネガティブなレッテル貼りをすることに違和感があるんです」という伊賀さんと対談するのは、高校卒業後にフリーターを経て、現在はベンチャー企業の代表を務める大竹智也さんです。
 「元気ー?」「まさか、こういう場でお会いすることになるなんて(笑)」と、にぎやかに始まった2人のお話は、既存のしくみや価値観がジレンマ世代に与える影響から、未来の働き方のヒントまで、痛快きわまりなく展開していきます。

という説明とともに始まる記事。とてもワクワクしながら読みました。

お二人とも「いい学校を出ていい会社に就職して定年まで働く」という"理想の働き方"とされていたモデルに対して、また、それを理想とする若者に対して「今の時代、それはもう違う」と投げかけています。

私自身、今年の4月に、古き良き企業、市場から最も遠いといわれる業界に就職し、3ヶ月ほどを過ごしています。驚くべきは、ある程度の役職にいる人たちの共通認識が「新採用で入ってきた君たちは、今後40年ここで働くことになる」という前提なんですよね。
『40年もこういう仕事を続けれられるかっちゅーねん!』と心のなかで思いつつも、適当に言葉を濁す毎日でございます。

また、そういった人たちは「公務員という道を選んだ時点で転職は難しいぞ」「身につく専門性なんてたかが知れてるし、外で通用する力を付けようと思ったら並大抵の努力ではできないぞ」とも言ってくれます。これが過去30年くらいの事実であり、何も考えずに過ごせばそうなるであろう未来だということは想像に難くないと思います。

でも、この構造を変えていきたいと思うんですよね。

公務員ってだけで、税金で食ってるってだけで、何かあればすぐバッシングの対象になり、ある個人に都合が悪いことが起こると「お役所仕事だ」と罵声を浴びせられ、追い打ちをかけるように給与削減人員削減。入庁5年以内の若手職員でさえ「もう地方行政はヤバイぞ」と悲壮感を漂わせています。中にいても専門性は身につかないし、モチベーションも上がらなければ、身を守る方に傾いてもある意味仕方ありませんよね。私はこんな不合理な業界だからこそ、内外から変えられることってたくさんあると思いますし、変えられたら楽しいと思います。しかし、なかなか同じ考えの人は少なそうです。

ラッキーな事に、世の中では「デキる人」ほど公務員の優秀さを分かっていますし、労働に対して対価が割に合わない事を知っています。だから公務員に優秀な人は流れてこないんですけどね(笑)世の中を牽引する人の、決して少なくはない一定の割合の人が味方であるということは大きいと思います。
しかしアンラッキーなことに、民主主義の現代では一人一票です(一票の格差はとりあえず据え置きます)。公務員が特権階級だと勘違いした人は、必ず足を引っ張りにきます。最大の抵抗勢力ですね。ここの問題の解決方法は思いついてませんが、ここをどうにかできれば、構造を変えられるかもしれません。

話は逸れましたが、この業界で自分がやりたいことは、これですかね。

「もっと人を入れやすく・出やすく」「人が入りたくなるようなインセンティブを」

まだまだ具体的な形にはなりませんが、自分が仕事をしていくなかで、達成できるにしろできないにしろ、ある程度納得のいくとこまで具体的な進行ができた時が辞めどきなのかなと思います。


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でも採用面接のときに、授業だけきっちり出てましたっていう子と、バイトばっかりしていましたって子とを比べると、後者のほうが、圧倒的に採用したくさせる何かを持ってるんです。それはやっぱり、リアルな社会から学びを得ているからですよね。
 あと、私がとくに重要だと思ってるのは、お金を稼ぐという行為を体験することです。

ここの部分なんてまさにそうですが、一度もお金を稼いだことがないっていうのは確かにマズいと感じます。新卒で公務員になった身で何を言うかと感じる方もいるかもしれませんが、都市間での競争になる時代に、稼いだことがない人だけで構成される自治体がどうなるか、不安しかありません。最近40代で仕事を選びなおす、という主旨の本や記事をよく読みますが、そういった「市場で磨かれ脂が乗った人たち」を呼び込むという風土がない点は、早急に改善すべきところですね。

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上記の「人を入れやすく・出やすく」というところに通じるのですが

いろんな仕事を経験して、いいものを選ぶ力を身につける。いいものを選ぶことができる、というのは、もう、ひとつの能力だと思うんですね。

という、"能力を形成する土壌としての転職"というものが、もっと広く浸透して欲しいというところがあります。私は、同じ仕事を続ける期間は長くて5年強と考えています。それ以上いたらダレてくるし、張り合いを見つけるのも難しくなってくると思います。
もちろん、それが全てだと言うつもりはまったくありません。各々自分にあったサイクルで仕事をすればいいだけのことです。ただ、自分と違う選択をした人がいたからって、それを否定することだけはやめろと言いたいですね。



長くなりましたが最後に。

世の先人たちが言うには、曰く「逆説的になるが、そういうことを達成しようとしたら、目の前の仕事に全力で取り組むしかない」と。
そんなわけで、明日も出社して数ある仕事を全力で取り組もうと思う所存でございます。