地方公務員はマイルドヤンキー?

さて、地方公務員とマイルドヤンキーとの繋がりですが、項目別に見ていきましょう。

1.市長や議員など選挙で選ばれる公務員
2.副市長・参事・部課長など役職を持った一般公務員
3.重要な役職にはついていない、一般的な公務員


1.選挙で選ばれる公務員

市長や町長、議員(以下議員等と表記)は、選挙で選ばれるためには票を獲得しなけれななりません。議員等はその票を獲得するための地盤として、市内各地域に影響力を持っている場合がほとんどです。
影響力を持つために彼らがやっていることが、集会所での勉強会、市政に関する相談会、地域に有利になるように金や事業を引っ張ってくる、地域の祭りに顔を出すなど。特別職非常勤公務員の副業は禁止されていませんから、議員の一部は実家で自営業をやっている場合もあります。
若い頃は当該地方公務員として働き、リタイア後に議員に立候補するというケースや、県会議員として地域を代表して出ていき、任期が終わった後に市議や市長として戻ってくるというパターンもありますね。

選挙で継続的に票を獲得するためには、継続的にその地域に住む人たち、そしてその地域(というより人間関係としてのコミュニティ)に愛着を持っている人たちからの票を獲得しなければなりません。その対象がマイルドヤンキーです。

マイルドヤンキーの特色には『地元志向で、地元から出たがらない』『何よりも「地元」の友だちを重要視する』というようなものがあり、強固な繋がりを作ることができれば、世代をまたがってマイルドヤンキー層の支持を手に入れることができます。


2.役職に就く一般公務員

最近では血縁地縁での役職抜擢はほとんど聞かないですが、団体との交渉が多かったり、地元土建業と関わりがあるような部署では、地域に根ざした顔があるかないかで、仕事の難易度が大きく変わってきます。そういった部署では、地元から出たがらない、地元のコミュニティを大事にする人がポジションに就く場合が多いです。癒着とは違いますが、地元団体や土建業は、マイルドヤンキーのコミュニティがそのまま業界に持ち込まれていますので、こういったものに親和性がある人じゃないとやっていけないんですね。

就職に関するコネもそうですね。教え子の就職のために先生が各方面に声をかけたり、知り合いのために議員が声をかけたりというのは、ままあります。それは、紹介する側がその地域に根ざした信頼があるからこそできるものであって、"よそ者"にはできません。そしてこのコネも"地元"でロンダリングしていきます。
一応保身のために書いておきますが、ここで言うコネとは、公務員になるためのコネではありませんよ。地元企業に紹介するというコネです。公務員になるためのコネはあったとしても、昨今の世論です。表には出てきませんので、私には分かりません。


3.平公務員

3項目の中では1番マイルドヤンキー比率が少ないです。就職人気業界に公務員が上位に現れるとおり、公務員になりたいという人間はわんさかいます。中には「公務員になれれば場所は問わない」なんていう人も。市役所採用者に占める市外在住比率も、聞くところによると半々くらいということも。マイルドヤンキー層、いわゆる地元に根ざした人たちは、近所の目もあり、公務員になると喜ばれ、不祥事でも起こさない限り辞められないという側面もあります。


イメージとしては、地方公務員は大勢の採用者がいて、そこから職務遂行の能力は前提として「地元との親和性」という観点からふるいにかけられるようなものですね。全部が全部というわけではありませんが、地元ロンダリングの比率はかなり高いです。


先日、ふと「地方公務員にはなったけど、なんか地元に絡め取られるのは嫌ですね~。あんまり縛られすぎないで生きたいです。外との繋がりは持っていたい。」とつぶやいたところ、ある先輩公務員(50代)に言われました。

『それは違うんじゃないかな~。地域の祭りに顔を出したり、地域の人たちと良く付き合っていくことで、自分が地域の人達に必要とされる人間になれたら、それは公務員冥利に尽きるんじゃないかな。』

これを聞いて、何を思うかは各人にとって違うでしょうが、その通りだと思う人とそうでない人の見える景色は全然違うでしょう。得てして地方公務員にはこんな考え方の人が多く集まります。それが良いことか悪いことかは別にして。